東京都が作った「結婚後押し動画」で本当に若者の結婚への気運は醸成するの?

 

こんにちは。アビリティスタッフ婚活部の高山彩香です。

おそらく婚活に関心のある方でしたら、ご存知かも知れません。東京都が、減少する結婚したい若者の「気分を醸成」しようとした動画が、大きな話題を呼んでいます。

私の感じるところでは、賛美両論というよりは、批判的な意見が多いような気がしますが、みなさんはどのように感じられているでしょうか。

 国の調査によると、全国の18~34歳の未婚者のうち90%近くが「いずれ結婚するつもり」と回答する一方で、東京都の生涯未婚率は男性が26%で全国3位、女性が19%で全国1位となっている。

こうした状況を受け、東京都は結婚を後押しする映像を制作。映像では交際中の2人が1964年の東京大会をきっかけに結婚した祖父母に思いをはせ、結婚へと踏み出していく様子が描かれている。3日に公開され、東京都のHPなどインターネットで見ることが可能だ。(Yahooニュースより

 

ともあれ、まだご覧でない方はぜひまず動画をご覧下さい。

 

動画の内容は以下のようなものです。

 

公園(駒沢公園かな?)にいる現代の若い男女のカップル。二人が何やらロールプレイングゲームにでも出てきそうな時空をワープするゲートに一緒に入って行きます。

その不思議なゲートをくぐると、モノクロの世界に。ゲートには1964年と書かれている。どうやら過去の世界にワープしたらしい。そしてそこには主人公(おそらく男性)の祖父母がいた。

祖父母はまさにプロポーズの真っ最中。そのセリフは、「オリンピックとパラリンピックを一緒に見ませんか?」

場面は1964年の東京オリンピックに。オリンピック、パラリンピック観戦をきっかけに祖父母が結ばれた経緯が説明される。

アベベ、東洋の魔女の活躍シーン。

新幹線開通、高速道路が開かれ、日本はまさに高度成長時代真っ只中。

そして、祖父母の間に息子が生れる。(これがこの動画の主人公の父)

場面は切り替わり、どうやら現代に。

「お金がない」と言うのが口癖だった(主人公の)友人がどうやら入籍したらしい。いかにも大衆居酒屋のようなところで節約したお披露目パーティかな?

女性のほうの親友は「一人のほうが気楽」とずっと言っていたのに、子供を作ってなんだか楽しそう。それをややひきつった笑顔で見つめる主人公(女性)声はなんだか寂しそう。

祖父母は、自分達が結婚するきっかけになった東京オリンピックの二度目の開催を楽しみにしている。仲良さげに東京オリンピックのパンフレット?を見る二人。

そして最初のゲートがあった公園にシーンは戻る。

「僕達も・・」

「私たちも・・」

手を繋ぐふたり。

オリンピック競技のイメージとともに、小池百合子都知事の声でナレーションが流れる。

「東京2020オリンピック・パラリンピック。あなたは誰と見ますか?」

 

いかがでしょうか?皆さん。果たしてこの動画で、若者たちの結婚への気分は本当に醸成されるのでしょうか。

以下は私の個人的な意見です。

行政や国が本気で若者の未婚や少子化の問題に取り組むのは大切なことだと思います。

でも、この動画が私は気に入りませんでした。

まず、「結婚したくても出来ない若者の現状をお役人はわかっていないんだ」と感じたこと。

そして「結婚しない価値観への否定的なメッセージが入っている」と感じたからです。

結婚はおそらく素晴らしいものです。でも、結婚しない、または出来ないけど違うひとりの人生を歩むこと、それもまた大切な価値観です。

この動画は、様々な人の多様な価値観は大切にされなければならない、といった前提が崩れているように感じました。

特に私は以下のところが気に入りませんでした!

 

・オリンピック、パラリンピックという純粋にスポーツの技術・精神の素晴らしさを楽しむオリンピック観戦を、さも「誰かと楽しまなければならない」といったメッセージを送っている。

オリンピック観戦って、楽しいですよね。素晴らしいと思います。でもそれは、友達と観てもいいし、家族で観ても、恋人と観てももちろんいいです。でもひとりで夜中に観るのも楽しくないですか?私は、4Kテレビの前で、ワインとチーズを楽しみながら、誰にも邪魔されないで一人でしっかり選手の活躍を見たいです。鍛えられた筋肉や、全力で走り戦う姿に興奮したいです。

一人で仕事あとに楽しむオリンピックは、私のささやかな人生の楽しみです。そんな風に楽しむ女性なんて、おかしいでしょうか?

 

・お金がない友人はなんで居酒屋でパーティなの?

お金が無くったって、安い居酒屋でも幸せになれるって東京都の職員の方は考えたのでしょうか。ほんとうにセンスがないですよね。お金がないなら、ホームパーティでもいいし、予算が低くてももっとセンス良くパーティを出来ますよ。パーティなんてそもそもしなくてもいいし。お金が無くても、ボロボロのお店でも幸せになれるなんて、すごく上から目線じゃないですか。

そもそも、若者の所得が減っていることが未婚化や少子化の大きな原因なのに、自分の無策を棚に上げて金のない若者は安いパーティで我慢しろなんてお役所のメッセージが伝わって来るようで、とっても嫌でした。お役所には、こんなビデオで貧乏礼賛していないで格差問題に真剣に取り組んで欲しいって思います。

 

・「ひとりのほうが気楽」といっていた友人を羨ましげに見つめる。

それは確かにそうでしょう。そりゃ、ずっとひとりより、素敵な人と家庭を持って、子供がいる人生も素敵だと思います。そんなことわかってますよ。そういった人生もあるのがわかった上で、一人で生きていく決心をしている女性が沢山頑張っているのに。そんな女性たちから見れば、何を今更感のこのメッセージ。

大体、子供がいることでマウンティングをとってくる女子に独身女性は常にピリピリしているんですよ。結婚して不妊で悩む女性も含めてね。それでも、それに負けずに自分の生き方は意味があるものだ、って強く生きようとしているのに。なんで東京都がそのマウンティングに乗っかってくるんですか。信じられない。

 

すみません・・思わず熱くなってしまいました。また社長に怒られてしまいそうです。

今回の意見はあくまで高山個人のものとして、みなさんもぜひこの婚活動画の意味を考えていただければと思います。だって、3,000万の予算、税金が使われてこれですよ。

今どきのユーチューバーに任せれば、300万でもこれより若者に響く動画を作ってくれたでしょうに・・。

 

最後に動画に対するツイッターの反応をいくつかご紹介させていただきます。

 

 

 

 

 

 

厳しいコメントばかりでなく、評価するというツイートも載せようと思ったのですが、今回探した中では見つかりませんでした。

東京都が作成した結婚後押し動画。みなさんはどのようにお感じになられましたか?

(アビリティスタッフ婚活部アシスタント・高山彩香)

 

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